|
創立100周年への第一歩!
第13代会頭 宮 島 清 一 |
|
2025年の新年あけましておめでとうございます。当商工会議所は昨年、創立90周年を迎えました。今年は100周年に向けての第一歩を踏み出す年です。 昨年は「選挙の年」と言われ、世界の主要国で指導者が代わりました。国家間対立が激しさを増し、戦争も起きています。ごく一部の独占企業への富の集中も問題です。新しい指導者たちのもとで戦争の終結など賢明な政治運営が行われることを期待します。わが国では国会が与野党伯仲の構成となりました。与野党が知恵を出し合って内外の重要課題に取り組んでいただきたいと思います。
1.経済情勢と経営者の役割 唐津市の人口は10年間で10.6%減り、現在114千人です。人口減少を食い止めるには、この地域に若い人が働きたくなる職場を作ることが必要です。業務を改善し、少しでも賃金を上げましょう。北部九州地方は我が国の中でも外国人留学生の多い地域です。外国人の採用にも積極的に取り組みましょう。 我が国経済は長く続いたデフレを脱却し、インフレ基調へと転じていますが、物価上昇の要因が旺盛な消費でなく、主として円安に伴うエネルギー価格の高騰、原材料の高騰という外圧にあるので、好ましい状況とは言えません。経済の好循環を生み出すために、私たち経営者の力が必要です。労働生産性を高めること、商品価格を適正化して企業収益を改善すること、賃上げによって人々の生活を改善すること、新商品を開発して新規需要を開拓することが求められています。眼を海外に向けることも大切です。輸出を抜本的に強化しましょう。
2.歴史・文化・観光 コロナ禍によって観光、宿泊、外食の業界は大打撃を受け、経営者の交代や廃業が相次ぎました。この未曽有の困難を耐え抜いた事業者には今、追い風が吹いています。政府統計によれば、昨年1-11月の訪日外国人数は対前年比149.5%、コロナ前の2019年比で113.7%です。東京、京都、箱根など定番の観光地でなく、もっと地味な土地で日本文化の奥深さを味わう傾向が欧米の顧客を中心に広がっていることにも注目すべきです。90周年記念講演をお願いした佐々木雅幸さんは、唐津の持つ豊かな文化資源を活用したツーリズムと街づくりを推奨されました。その具体化を進めたいと思います。「唐津検定」は曳山の台数である14回を目指して行ってきましたが、盛況のなか今月26日、めでたく最終回を迎えることになりました。
3.経済インフラの整備 唐津地方は石炭産業の時代からずっと、わが国のエネルギー生産拠点でありました。現在、わが国では電力生産の70%を火力発電に依存するいびつなエネルギー生産構造となっており、安全保障上も問題です。大気中二酸化炭素の増加を食い止めながら、産業振興と市民生活に十分な電力を安全にかつ効率的に供給するため、原子力発電を含む多様な分野で技術革新に挑まねばなりません。唐津商工会議所では2020年より洋上風力発電の可能性に注目し、勉強会を開催するなど県・市と協力して事業化に向けた検討を進めています。 唐津港の整備が国の事業として進められ、コロナ期を除いて毎年10隻以上のクルーズ船が海外から寄港するようになりました。唐津港については東シナ海の緊張に対応する海上保安機能の強化も必要です。新たな整備計画策定のため、国、県、市と協力して参ります。
最後に、商工会議所の会員支援について申し上げます。昨年度、会員の皆さんからの経営相談は窓口で2,119件、巡回訪問で1,384件行われました。唐津市等と共同で創業塾を開催し、35名の方が参加されました。創業の相談は107件あり、新たに13事業者が創業されました。前年より6社増です。会員の皆さんの各種補助金・助成金申請の支援としては、佐賀県の中小企業生産性向上支援補助金35件、唐津市の中小企業等活性化支援事業補助金33件などを申請しました。販路拡大の支援としてはマリンメッセ福岡で開かれた「FOOD STYLE KYUSHU 2024」に6事業者が出展されました。12月時点で当所の会員数は1,343社で、統計のある過去10年間では最大となっています。
より良い地域社会と地域経済を築くために、今年も皆で力を合わせて奮闘しましょう!
令和7年1月 |